角交換四間飛車を指しこなす本を読んだ

 初めて買った将棋の本は藤井猛九段の「四間飛車を指しこなす本」だった。私も含めそんな人は多いはず。藤井九段の著書は名著揃いで外れなしである。そんな藤井九段の最新作「角交換四間飛車を指しこなす本」が発売された。これはノータイムで買う一手だ。

 指しこな本は1問1答形式で定跡を解説していくという初級者にも分かりやすい形式の本である。通常の定跡書は符号が羅列されるので私は将棋盤に並べないとわからなくなるが、指しこな本は通勤電車でも読めて良い。
 
 目次
プロローグ
第1章 予行演習
第2章 「逆棒銀」とさまざまな敵
第3章 7筋での動き
第4章 腰掛け銀との戦い
第5章 飛車先保留との戦い

 iphoneの中継を見ていると藤井九段が端歩を突かない美濃囲いをやっていることがあって、棺桶美濃と呼ばれていたりしたけれど、本書を読んでその理由がわかった。不要な手は可能な限り省略して逆棒銀で速攻するためだったのだ。一般的に端歩を突くと詰ませるのに金銀3枚分は違ってくると言われている。このような今まで当たり前だったことを覆していくこと、他にも「居玉は避けよ」を覆す藤井システム「玉の堅さは相対的なもの」という考え方等、セオリーを覆していくところにファンは惹かれるのだろうし(面白発言やファンタも)、升田幸三賞を2回受賞することにつながったのだろう。

 素人の私が言うのもなんだが藤井九段の序盤の本質は「選択と集中」ではないだろうか。藤井システム、藤井矢倉、角交換四間飛車の逆棒銀、と省略できる手は可能な限り省略して指していく。ちなみに私はこの選択と集中という考え方をCivilization4で学んだ。

 形勢判断マークというのが載っていて指しこな本が進化していた。また、〇〇には××と分かりやすい指針を示してくれて覚えやすい。繰り返し読んで角交換四間飛車を身につけたい。この本を読んだら将棋ウォーズで3連勝できた。(私は現在1級)

この本で覚えた7二歩の手筋が実戦で役に立った。